認知症でも覚えられる…事もある

兄助は仕事が忙しく年に一回会う程度なので、母江さんは存在自体をポコンと忘れちゃいます。まだ説明すれば思い出してくれますが…w


海馬は記憶の番人のようなもので、人間が見聞きする全ての情報を一時保管してくれます。保管している間に何度もその情報が出し入れされれば「おっ、コレは重要な情報だな」と大脳皮質にバーンと張り付けてくれるのです(長期記憶)

例えば「卵焼きの作り方」を覚えて毎朝作って(情報の出し入れ)いれば大脳皮質が長期記憶として覚えてくれます。

一方「朝食は卵焼きだった」というあまり重要でないエピソードを覚えても、一定期間この情報を使う場面が無ければ海馬は必要ない記憶として「朝食は卵焼きだった」というエピソードは大脳皮質に張り付けず捨てて(忘れて)しまいます。

 

母江さんはアルツハイマー型認知症なので海馬と大脳皮質両方の萎縮がみられます。かと言って両方ピクリとも機能しないわけではなく、何度も何度も「旦那はいるのか」「いるよ」の繰り返しをして大脳に張り付けることができたわけです(張り付けても調子の良し悪しで取り出すことができない時もあります)

 

しかし「根気よく何度も何度も言って分からせる」というほど単純なものでは無いと思います。記憶の貼り付けは本人の興味や感情にも左右されますから、私は母江さんに対して

「過度の期待はせず、かと言って最初からあきらめない」

ぐらいのスタンスで会話をするようにしています。

ちなみに母江さん、毎日薬を飲んでるのにまったく覚えてないんですよ。もう一年ぐらい飲んでるのに。多分薬についてはいっさい興味ないんでしょうねw 

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即時記憶は数秒間

どうやら母江さんが幼い頃、トイレの窓からこれらの花を見た記憶があるらしいです。


記憶障害を時間で分けると

・即時記憶(数秒間は覚えていられる・たった今の事)

・近時記憶(数分から数カ月は覚えていられる・近年の出来事)

・遠隔記憶(数か月から年単位で覚えていられる・遠い昔の事)

となります。

 

マンガの場合ですと

「トイレの裏」ばかり言っていると気づける(即時記憶)

花の名前はわからない(近時記憶)

昔トイレの窓から花を見たと覚えている(遠隔記憶)

となります。

アルツハイマー病では主に近時記憶が失われやすくなりますので母江さんの場合はドンピシャですね。逆に即時記憶が保たれやすいのであれば会話をなるべく数秒か1分以内に収めればその瞬間は通常の会話が可能なのです。したがって1回の会話にたくさんの情報を詰め込まず、文章をわかりやすく順序立てて話すようにしています。声のトーンは優しく深く…ゆっくりと。

などと言いつつコレがとても難しいw精進精進…

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編み物と認知症

もういっその事このまま手袋として編んでしまってはどうかと思ったんだけど。

 

 

でかい。


若いころは編み物が趣味だった母江さん。

認知症発覚後、すぐにあみ針と毛糸を渡したところガスガス編み始めました。

編みながら「編み方は誰それに教わった」とか「友達同士で競争した」とか昔の事をドバーと話してくれます。

 

同時にふたつのコトを行うと大脳の前頭葉が活性化されて認知症の進行抑制や予防になるのだとか。

編み物をしながらテレビの音を聞く

編み物をしながら歌をうたう

編み物をしながら昔話をする…

自分の手先から何かができあがっていく、これだけでも十分楽しい。

編み物って認知症にとっても良いのです。

 

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